こんにちは!かっつん先生です。
「テストでいい点数をとれるようになりたい」「アクロバットな動きができるようになりたい」…子ども関係のお仕事を色々とさせていただいているので、こういったご相談を親御さんからだけでなくお子様からもよくいただきます。しかし、それに合わせて「1週間後のテストで…」や「次の体育の発表までに…」等、とんでもなく短い期間での結果を希望されることも多くあります。
厳しいことを言います。そんなこと9割無理です。私たち指導者はもちろん最短となる過程を示してあげたり、その子の弱点を見抜く力を持っておりますが、決して魔法使いではありません。「ちちんぷいぷいのぷい!」で、これまで全くやってこなかったことをサラッとできるようにするなんてことはできません。
「いやいや、1時間で跳び箱跳べるようにしてくれたし、バク転もできるようにしてくれたじゃん!」と、私の指導を受けたことのある方はおっしゃっていただいているかもしれませんね。ただ、それはあなたが私の指導を受けるまでに土台となる運動やあそびをしっかりと積み上げてきてくれていたからです。
0からスタートしてサラッとできるようになるのは、相当の運動センスのある方以外は不可能です。「何かを成し遂げたい」「習得したい」…そんな思いで動き始めたとして、0からスタートした場合、大人も子どもも少なくとも本気で一年はかかると私は思っています。それほど新しいスキルの習得は大変なものなのです。
ただ…「継続」って本当に大変ですよね。私も皆様にお風呂上りの柔軟の大切さなどをお伝えしておりますが、自分自身は全然継続できていません。(苦笑) 情けない限りではありますが、それが現実です。勉強も運動もやらされていては、身につけるというところまでいくのがとても難しいのです。自らのかたい意志で継続すること…これが一番大切になってきます。
そんな継続の力を、先日ある子(?)が証明してくれました。この子は以前の体操教室時代のらいふに小学校の低学年の頃からお越しいただいており、中学生になった今でも通ってくれてトレーニングしてくれています。なので、「子」というのはもうしっくりこないので、以下はR君と書かせていただきます。
出会った頃、R君はそれほど運動に意欲的ではなく、むしろ苦手意識を抱えているような印象でした。それでもらいふでの運動は楽しんでもらえたようで長く通ってくださり、だんだんと目先の楽しいゲーム性のあるレッスンから、目標を達成するための長い目でみたレッスンにも取り組めるようになってきました。
最初の頃は跳び箱も「自分は跳べないから」と、例えば「5段を跳ぶことが出来ない=自分は跳べない」という100点をいきなり求める思考回路だったのが、「5段を跳ぶためにまずは○○をやろう」と私の指導の特徴であるスモールステップ方式の思考回路が身について、今では上手に目標達成に向けて努力を継続できるようになりました。現にR君は今8段を軽々と跳んでいます。
そんなR君ですが、この新しいらいふになってから、大きな目標をいくつか設定してくれました。1つ目は競技用トランポリンでのウォールトランポリンです。私が時々見せつけるようにやっている、壁を足で歩くように背中で跳び続けるあの技です。こちらの目標…なんとR君はもう達成してくれました。(笑) 背落ちという技とキャットという技をコツコツと続けてくれて、今では15kgほどの重りを胸で抱えながらトレーニングとしてウォールトランポリンを行ってくれています。凄いですよね。
2つ目の目標はサーモンラダーです。SASUKEで出てくる、当施設の遊具の中でも一番難しいとされているアスレチックエリアの鬼門です。鉄の棒を握ってぶら下がり、上の突起へ向かって鉄の棒ごと体を引き上げていく遊具なのですが、まぁこれが本当に難しいんです。懸垂を軽く20回くらいできるようになれば、きっといけるのではないかという私なりの見立てなのですが、それを聞いてR君は「じゃあ、まずは懸垂を頑張ります!」と努力を続けてくれています。
3つ目の目標は反り立つ壁(高い方)です。新しいらいふが出来てすぐの時、実はR君は低い方に登ることも出来ませんでした。そこからずっとスモールステップをクリアしていって、先日ついに第一目標である「反り立つ壁(高い方)に駆け上がってぶら下がる」を達成してくれたのです!!
去年の10月に低い方を登れなかったのに、ずっと努力し続けて、ついには高い方に掴めるようにまでなったR君。挑戦したことのある方ならご存知かと思いますが、当施設の高い方の反り立つ壁は、単純な身長だけでは登ることどころか掴まることすら容易ではありません。それを大きな目標のためのスモールステップとして成し遂げたR君…本当に素晴らしいです!
当施設は以前のような体操教室ではなくなりましたが、世にも珍しい「教えてもらえる遊び場」としてこれからも皆様と歩み続けて参ります。目標を見つけられないという方は、お気軽にお声がけください。大きな目標、そしてそれを成し遂げるためのスモールステップをばっちりご提案させていただきますよ。